◆ パラボリックSARとは?
パラボリックSAR(Parabolic Stop and Reverse、略してSAR)は、トレンドの転換点を視覚的に捉えるためのテクニカル指標です。チャート上に「点(ドット)」として表示され、トレンドが上昇中はローソク足の下に、下降中は上に表示されます。
SARは「Stop And Reverse(ストップ・アンド・リバース)」という名前の通り、トレンドが反転するタイミングを示す目的で使われます。
◆ 基本の考え方
SARは「現在のトレンド方向に加速していくようなカーブ(放物線)」を描きます。価格がそのカーブを突き抜けた瞬間、「トレンド転換」と判断され、SARが反対側に切り替わります。
◆ 計算式
パラボリックSARの計算は、上昇トレンドと下降トレンドで少し異なりますが、基本式は同じです。
$$ SAR_{n+1} = SAR_{n} + AF \times (EP – SAR_{n}) $$
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| SARₙ | 現在のSAR値 |
| SARₙ₊₁ | 次のSAR値(翌日など) |
| AF | 加速因子(Acceleration Factor) |
| EP | Extreme Point(トレンド中の最高値または最安値) |
◆ 各要素の意味
1. EP(Extreme Point)
– 上昇トレンド中 → 期間中の最高値
– 下降トレンド中 → 期間中の最安値
2. AF(加速因子)
AFは、トレンドが進むにつれて少しずつ大きくなります。
– 初期値は通常 0.02
– 価格が新しい高値(または安値)を更新するたびに、0.02ずつ増加
– 上限値は 0.20 などに設定されることが多いです。
つまり、トレンドが続けば続くほど、SARは価格にどんどん近づいていきます。
◆ 計算の流れ(上昇トレンドの例)
- 初期トレンドを判定し、最初のSARを設定(例:前回の安値などを使用)
- AFを 0.02 に設定し、EPをその時点の最高値に設定。
- 次のSARを計算:
$$ SAR_{次} = SAR_{現在} + AF \times (EP – SAR_{現在}) $$ - 新しい高値をつけたらEPを更新し、AFを +0.02(最大0.20まで)。
- 価格がSARを下回ったら、トレンド反転(SARが上側に切り替わる)。
◆ トレンド反転の見方
- SARがローソク足の下 → 上昇トレンド
- SARがローソク足の上 → 下降トレンド
価格がSARを突き抜けると「Stop And Reverse(反転)」が起こり、次の足からドットが反対側に表示されます。
◆ 特徴と注意点
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| トレンド転換を早く察知できる | レンジ相場ではダマシが多い |
| 自動的に利確・損切りの目安を出せる | パラメータ調整が難しい |
パラボリックSARは「トレンドフォロー型」の指標であり、強いトレンドが出ている時に最も有効です。レンジ相場では頻繁にシグナルが反転するため注意が必要です。
◆ まとめ
- パラボリックSARはトレンド転換を捉える放物線型指標。
- 基本式:SARₙ₊₁ = SARₙ + AF × (EP − SARₙ)
- AFは0.02から始まり、最大0.20まで増加。
- トレンドが続くほどSARが価格に近づき、反転でドットが切り替わる。
🏁 結論
パラボリックSARは、シンプルながらもトレンドの強弱を捉えるのに優れたインジケーターです。他の移動平均線やADXなどと組み合わせることで、より精度の高いトレード判断が可能になります。